2011年 03月 20日

3/11@職場

職場が揺れた

「この揺れ方はまずい」と、上司が言ったと同時に
携帯の地震警報が鳴り響いた

即座に売り場に走り出したが
売り場に出たところで立ってはいられなくなった
照明が非常灯に切り替わる
人の叫び声が聞こえてきそうなものだが
なにも聞こえない
建物の軋む音以外は


「まずいことが起きている」とおもった


少し揺れが収まったころ
再び走り出した
売り場ではお客様と従業員が叫びも騒ぎもせず、なにも言わず
体をちいさくかがめている


今思えば、そんなことはないだろう
わたしの耳に入ってこなかったということなのだろうか


そのあとは、もう無我夢中だった
とにかく誰も痛手を負う事がないように
走りながら避難経路を指示した
ガチョウがノドを潰したような声で怒鳴りながら


途中でタグのついたクッションが落ちているのに気づいたので拾った


冷静になったころに
それを携えている自分が
火事のときに枕をもって逃げたマンガの登場人物みたいで笑った





幸い、当時点では大きな怪我もトラブルもなく
ひとしきりことが終わった
あまりにも興奮状態にあると人は寒さや疲れを一時的に感じなくなるようだ
やっとのことで寒いことなんかに気づいた
あの日は雪が降っていたのだ


そのとき時計をみると17:00だった
わたしは何をおもったのか
いまから店の外へ貼る案内のポスターを作ったり、だれかやなにかに連絡をとったり、なにかしら片付けなどをしなければならないと思っていた
今思えばことの重大さを理解していなかったのだ


できるわけはない
電気も電話もストップしているのだから


2時間ぶりか?に事務所にもどって愕然とした
足の踏み場もないというのはこれのことか



そのあとは歩いた
とにかく歩いた
しかしあたりが暗くなり
もう歩けなくなってしまった

電気が通らない町というのはこれほどまでに暗いのか



家族の誰とも連絡がつかない
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by spatspipin | 2011-03-20 20:36 | こと | Comments(0)


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